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Adobe CS6発表

序章:
Adobeソフトを使い始めた時、私は大切な何かをAdobeに差し出してしまったということに気付くべきだったのかもしれない。
仕事上Adobeソフトを使わないという日はないわけで、つまりそれは同時にアップグレードという恐怖を日々感じているということである。
そして昨日ついにその恐怖が目の前に姿を現した・・・

第一章:
事は昨年11月に遡る。
Adobeから一通のメールが届いた。
メールタイトルに「アップグレードポリシーの変更について」という文字。
お決まりの長い挨拶文にぐったりしていた私は何の準備もなくAdobeからの一撃を真正面から受けてしまうことになる。

第二章:

今回の改定により、次期バージョンのAdobe Creative Suite、および各CS関連製品のアップグレード対象は、それぞれ過去主要1バージョンまでとなり、それ以前のバージョンをお持ちのお客様は、アップグレード対象外となります。2バージョン以前の製品をお持ちのお客様が、最新版をお求めの際は、通常の製品版をご購入いただくか、Adobe Creative Cloudを選択いただくことになります。

目を疑った。
つまり私が使用しているCS4は次期バージョン(2011年11月の時点で既にCS5はリリースされている)のアップグレード対象にはならないということだ。
しかもAdobe Creative Cloudとは何だ?私の頭はショート寸前だった。
何の光明も見出せないまま2012年を迎えることになるのだが、この声明はAdobe自らによって撤回される。

第三章:
2012年を迎えて二週間程した頃、Adobeから更に一通のメールが届く。
私の意思とは関係なく身体だけが遠い記憶を頼りにメールを開く。

アドビでは、2011年11月10日にCS6とAdobe Creative Cloudのリリースと同時にCS5/CS5.5のお客様のみアップグレード価格が適応されるというアップグレードポリシー改定についてご案内させていただきました。その後再度検討を重ねた結果、より多くのお客様に時間をかけてCreative Cloudへの移行またはCS6へのアップグレードご検討頂けますよう、CS3, CS4のお客様もアップグレード版をご購入いただける期間を設けさせて頂くようになりましたので、ご案内申し上げます。

私の身体に徐々に熱が戻るのを感じた。
しかし私は気付いていた。これは束の間の喜びだという事を・・・
Adobeソフトを使ってしまった人間はその宿命から逃れる事はできないのだ。

終章:
あれから三ヶ月・・・
2012年4月23日ついにそれは発表された。
Adobeが統合デザインスイート「Adobe Creative Suite 6」を5月11日に発売すると発表。
と同時に「Adobe Creative Cloud」の予約も開始。
CS4ユーザーのアップグレード期間は2012年12月31日まで。
私は選ばなければならない。Creative Suite 6かCreative Cloudか。
私とAdobeの本当の闘いはまだ始まったばかりなのかもしれない・・・

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